情報化社会へ突入する今後の産業構造は、ますます個人化した生活...
情報化社会へ突入する今後の産業構造は、ますます個人化した生活を求めてくる。それゆえ、家族の構成員数は、減少することはあっても増加することはない。それを知ったとき、家族に関する諸現象を否定的に見ることはできず、変化は時代が必然的に産み出したのだと認めざるを得なくなった。(P4)コメントする | ReTweet
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すべての先進国は今、競って情報化社会をめざしている。これを不可避だと確認する時、家族だけが現状のまま留まるはずはない。とすれば、歴史の流れにそって家族構造の変化に規則性を見いだし、新たな時代に対処すべきである。ただいたずらに、古き良き家族生活を懐かしんでも、回復されることはない(P4)コメントする | ReTweet
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今日では、仕事をする場としての職場は、多くの場合において、家庭とは離れている。今や、家と職場が離れていることは、誰でも当たり前のように感じている。(P16)コメントする | ReTweet
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今日ではどこの家でも、結婚式や葬式は、それぞれ専門の会場を借りて行うことが多い。しかし、戦前までの農家や商家では、すべて冠婚葬祭は自宅で挙行した。仕事にかぎらず娯楽から、近隣や親戚の付き合いまで、一切の生活は家を中心に営まれた。(P0)コメントする | ReTweet
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また反対に、家庭生活は仕事を中心に営まれたともいえるほど、両者は密接不可分であった。もちろん仕事上の人間関係は、ずかずかと家のなかにまで入り込んでいた。(P18)コメントする | ReTweet
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情報化社会の職業労働は、あくまで個人的な作業であって、家族の全員で取り組むようなものではない。そのため、何らかのかたちで在宅勤務が可能になっても、精神的に集中できる労働環境でなければ、情報社会の仕事をするのは不可能である。(P23)コメントする | ReTweet
View Article専業主婦の願望が、子どもに投影された。小さな子供は、大人であ...
専業主婦の願望が、子どもに投影された。小さな子供は、大人である専業主婦には、知力・体力ともに太刀打ちできるわけがない。子供の自主性はねじ曲げられて潜在化した。子育てが子供の自発性を押さえることになり、別の人格である女親の価値観を押しつけたから、子育ては困難になり苦行になった。(P39)コメントする | ReTweet
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1920〜85年のあいだに、疑似家族員とも言うべき、住み込みの使用人や同居の単身者は、330万人から17万人へと減少し、家族以外の人間が家で働く姿はほとんど見られなくなった。(P21)コメントする | ReTweet
View Article工場生産のもとでは、収入を得る単位が、家から個人になったこと...
工場生産のもとでは、収入を得る単位が、家から個人になったことは特筆されなければならない。これによって、農耕社会の大家族という群れの生活が、分解過程に入った。そして仕事場と家庭の分離は、仕事=公から切り放されたもの、つまり個人なる概念の発生を招来した。(P23)コメントする | ReTweet
View Article農林水産業に従事する人間は、1872年(明治5年)には84%...
農林水産業に従事する人間は、1872年(明治5年)には84%だったのが、1930年(昭和5年)には50%まで減った。反対に、鉱工業や商業に従事する人間は、同じ時期に11%から41%に上昇している。(P27)コメントする | ReTweet
View Article上昇気流にのった工場生産はやがて安定し、時代の主流は工業社会...
上昇気流にのった工場生産はやがて安定し、時代の主流は工業社会となった。工業生産は売上を伸ばし、工業従事者の所得は上昇した。そして膨張し、肥大した工業社会は、農耕社会の本体をも浸食しはじめた。工業従事者に対して相対的な農業収入の低下によって、もはや農家の長男・戸主も農業の(P28)コメントする | ReTweet
View Article商品経済は農村部にも浸透し、農業専従者は現金支出の増大によっ...
商品経済は農村部にも浸透し、農業専従者は現金支出の増大によって、農業収入だけでは生活がなりたたなくなった。規模の小さな小作農から、徐々に農耕社会を脱落していった。農家の一員としては生活できなくても、工場や会社へ働きにでれば生活できる。(P29)コメントする | ReTweet
View Article女性を生産労働から排除した(工業化)社会は、専業主婦と女性は...
女性を生産労働から排除した(工業化)社会は、専業主婦と女性は同じではないにもかかわらず、専業主婦=女性一般と見なしたのである。(P39)コメントする | ReTweet
View Article女性は子供を生むものだ、女性は子供を育てるものだと、と考える...
女性は子供を生むものだ、女性は子供を育てるものだと、と考えるところからは、子供を生まない女性に対する差別が生じる。しかし、誰も専業主婦の子育てを、止められなかった。(P40)コメントする | ReTweet
View Article今日、親は自分がみにつけていないものを、子供に体得させようと...
今日、親は自分がみにつけていないものを、子供に体得させようとする。情操教育にしても語学教育にしても、親にはそれを理解する素養がない。だから、子供の達成度を評価できず、常に他の子供との比較でしか理解できない。(P96)コメントする | ReTweet
View Article他の子供たちとの比較による相対評価は、達成感を実感させないか...
他の子供たちとの比較による相対評価は、達成感を実感させないから、それを習う者から楽しさや面白さを奪う。にもかかわらず親は、競って子供に上達のムチを入れる。(P96)コメントする | ReTweet
View Article情報社会になっても、工業社会の価値観を保持し続けることは、自...
情報社会になっても、工業社会の価値観を保持し続けることは、自我の未成立な子供を最大の犠牲者とし、社会の歪みを子どもや弱者に集約的に集めてしまう。(P118)コメントする | ReTweet
View Article農耕社会や初期の工業社会、男女の平等や個が確立されることを、...
農耕社会や初期の工業社会、男女の平等や個が確立されることを、その労働形態が許さない。情報社会の生産労働のあり方は、男女の平等や個の確立を必要不可欠とする。(P121)コメントする | ReTweet
View Article先進国では、小学生が高齢者を敬称ぬきの名前で呼んでも、まった...
先進国では、小学生が高齢者を敬称ぬきの名前で呼んでも、まったく自然である。情報社会では、すべての人間が上下関係ではなく、人間的な親愛の情をもった横並びになる。(P156)コメントする | ReTweet
View Article工場生産を始めるには、人間と土地との結びつきを断ち切って、人...
工場生産を始めるには、人間と土地との結びつきを断ち切って、人間の価値が血筋や生まれによって保証されるのではないことを、正当化しなければならない。産業革命を生みだし、工業化を先行させた西洋諸国では、宗教革命や市民革命をせざるを得なかった所以である。(P160)コメントする | ReTweet
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